江上造園

剪定ってどうして必要なの？

庭に樹を植える場合、いずれ必ず剪定が必要になってきます。
お庭は自然の山や森と違って敷地面積に限りがあるため、手入れをせずに成長するままにしておくと「庭が樹で覆われて荒れ放題になってしまう」「互いに栄養を取り合って次々と枯れてしまう」「風通しや日差しが遮られることで生活に支障が出る」「病害虫が蔓延してしまう」など沢山の問題が生じてきてしまいます。
自分の家だけならまだしも、近隣のお宅や公道にまで迷惑が掛かってしまうとトラブルにも発展しかねません。
またいくら形の良い庭木を植えても、定期的に剪定をしなければ成長して形は崩れてしまいます。その上、一度形の崩れた庭木を元の形に戻すのは非常に困難です。
このように環境面、鑑賞面の両方から考えても、定期的な剪定は必要不可欠なのです。

剪定の目安時期

落葉樹は、葉が落ちて休眠期に入る冬の時期（12～3月頃）が大きな剪定に向いています。
常緑樹は、逆に寒さで木が傷みやすくなるため3月以降が良いでしょう。
花の咲く木は花が散ってから、実のなる木は実が落ちてから行ってください。

基本的にはそれぞれの樹木が活発に活動する時期を過ぎ、ある程度落ち着いた頃に手入れをして形を整えるのが定石です。
また庭木の多くは基本的に冬季に大きな剪定が可能であり、それ以外の時期は小さな剪定を行うのが良いでしょう。

剪定の種類

●切り返し剪定
分岐した枝の若い方を残し、古い枝を切除する作業です。
成長しすぎた樹のサイズを小さくしたいときや、傷んだ枝を改善させる為に有効な剪定法になります。若い枝を残すことで新しい芽が出て枝葉が元気に育つようになるため、花や実を大きくしたい場合にも有効です。
　
●切詰め剪定
伸びすぎた若い枝や古い枝の先端を切除し、葉が茂っている樹冠部分の大きさや形を整えるための剪定法です。
若い枝を切るときは芽より先を長く残したとしても結局枯れてしまうので、芽の部分から約3mm程度上を斜めに切るのがコツです。
　
●枝おろし剪定
太い枝をノコギリで付け根から切り落とし、太い枝を少なくすることで根に栄養を回して活着しやすくする剪定法です。主に植え替えの後にしっかりと新しい場所に根付いてもらうために行います。
枝を落とした切断面にはペンキや抗菌の癒合剤を塗布して腐敗から樹を守ります。
　
●枝抜き剪定
長く伸びすぎた枝だけを剪定バサミで一枝ずつ切り落としていく剪定法です。
不必要な枝を取り除き樹の形を整える目的に加え、幹全体にしっかりと日光が当たるようにして樹木全体がより元気に成長していけるようにします。
　
●刈り込み剪定
樹の表面である樹冠部分の枝葉を整える剪定法です。
刈りバサミや電動のバリカンを使用し、広範囲を一度にカットしていくことで枝葉の表面が密に揃うようにします。
外構として植えられた生垣やトピアリーでは定期的に行う必要があります。